【食器乱読】笠間焼 カップ&ソーサー グレー
店主が集めた食器を無秩序に紹介していく食器乱読シリーズ。
第4回目は前回と同じく、笠間焼のコーヒーカップ&ソーサーのグレー版です。
個性~素朴だけどかっこいい~
前回と同じタイミングで笠間焼の陶器市にて購入したカップです。
モチーフとして描かれているビルなどの町並み、これはなんと絵付けやプリントなどではなく、2種類の異なる土を組み合わせることで表現されています。
これは手間かかります。大量生産にはまず向かないこだわり、作家物の醍醐味ですね。
茶色の部分はザラザラとして素朴な風合い、白い部分は釉薬がたっぷりかかって、ぽってりとした感じ。
持ち手や飲み口など肌に触れる箇所はいずれも白い部分なので、優しい肌触りが堪能できます。
ソーサー
ソーサー側にもビルをデフォルメした装飾されており、カップとの一体感は抜群です。
建物のシルエットは可愛く、モノトーンの雰囲気はかっこよさを演出します。
底面
こちらも持ち手と底面がくさびがたにつながっています。
強度を持たせるためなど機能的な理由も想像できますが、とりあえずかわいいです。
どう使う?
こちらもコーヒーですね。
口の当たる部分が厚く、少し反り返っているおかげで熱いコーヒーを少しずつ飲むことができます。
ルーツ
笠間焼は茨城県の笠間市周辺を産地とする陶器です。
九谷焼や織部焼、有田焼など、日本には各地の地名を関する陶磁器の産地がいくつかあります。
そのほとんどは産地ごとに絵付けの傾向や陶磁器の種類など特徴があるのですが、笠間焼の特徴は・・?
ありません(笑)。
『特徴がないのが特徴』と呼ばれるくらい、決まった作風が無いのです。
それだけに窯元ごとに作る器の傾向は百花繚乱で、探すごとに新しい発見のある楽しい産地でもあります。
笠間では年に一回、GWに陶炎祭(ひまつり)というお祭りが行われます。
<公式サイトからの引用>
笠間の陶炎祭(ひまつり)は毎年4月29日~5月5日に笠間芸術の森公園イベント広場で開催される茨城県下最大のイベントです。
200軒以上の陶芸家・窯元・地元販売店などが、広大で緑豊かな笠間芸術の森公園イベント広場に集い、個性豊かな店作り と作品でお客様を迎えるという、他に類を見ない陶器の祭典です。
<公式サイトからの引用ここまで>
笠間焼は決まった傾向がないので、見事なまでに作家さんごとの個性が発揮されています。
今回ご紹介のカジュアルなデザインもあれば、純和風の和食器、シンプルな日常の器、超前衛的な芸術作品などなど。
とてもにぎやかで楽しいお祭ですので、器好きな方は一度足を運んでみてください。
そうそう、笠間といえばもう一つ、日本で一番の栗の産地としても有名です。
美味しい栗のお菓子もたくさんあるので、そちらもお忘れなく(笑)