【食器乱読】美濃焼 カップ&ソーサー トルコブルー
店主が集めた食器を無秩序に紹介していく食器乱読シリーズ。
第7回目はトルコブルーが印象的なカップ&ソーサーです。
個性~ただのトルコブルーではない~
トルコブルーはターコイズブルーとも呼ばれる、鮮やかな青色をしています。
どことなく沖縄など南国の海を彷彿とさせる色合いでファンも多いことから、産地を問わず作られています。
今回ご紹介のカップはmasamura craftさんのterre(テール)。
『地球』という意味が示す通り鮮やかな青ですが、ただのトルコブルーではなく、まだら状のグラデーションになっているのが特徴です。
この趣き深いグラデーションは、職人さんが手作業で釉薬を薄く塗ることでできています。
手仕事によるこだわりが伝わってきますね。
底
このカップもう一つの見どころがこの『釉溜まり(ゆうだまり)』。
カップの底にはあえて釉薬の溜まりを作った状態で焼成することで、ヒビのような模様を作り出します。
この模様が光にあたるとキラキラときらめいて、まさに南国の海のように輝くんです。
持ち手
店主はカップの持ち手フェチなので、必ず紹介します(笑)。
持ち手にもしっかりグラデーションが効いていますね。
加えてこのカップは400mlと大きいため、しっかりと持てるように幅広になっている点も特徴的です。
どう使う?
カフェオレボウルにするのが定番でしょう。
400mlと大きめなので、たっぷり入ります。
濃いめのコーヒーに牛乳を多めに入れて、少しぬるめの状態でゆっくり楽しめます。
休日の朝にのんびり頂くのにピッタリですね。
また、スープカップとしても有用。
具をたくさんいれても余裕がありますよ。
ルーツ
masamura craftを製造する正村製陶所は1948年創業の岐阜県多治見の窯元。
2012年よりmasamura craftブランドを立ち上げ、カップ&ソーサーを中心に生産しています。
商品シリーズのterreはフランス語で地球の意味。
丸く優しげな形も地球を思わせてくれます。
手に持って眺めているだけでほっとできそうな雰囲気。
多治見市も含まれる美濃焼は#1などでご紹介のancient potteryと同じ産地。
古来より日本の食器をつくり続けてきた地域ですが、こうした時代に合わせた、むしろ先取りするかのような作品も多く作られているんですね。
以下、masamura craftのwebページより引用。
「masamura craft」を製造する「正村製陶所」は、日本有数の食器生産地である岐阜県多治見市根本町で昭和23年(1948年)に創業しました。
当初は屋根瓦の窯元でしたが、時代の流れとともに多治見市滝呂町の地場産業である磁器製海外輸出用の碗皿(カップ&ソーサー)の生産にシフト。時を経て2012年に立ち上げた自社ブランド「masamura craft」の食器づくりには、職人がひとつひとつ手で成形し、絵柄を描くという温かみや懐かしさとともに、創業時より受け継ぐ「ものづくり」の精神が息づいています。
長年培ってきた土選び、釉薬の調合、焼の温度調整といった焼き物の基本を踏まえ、「今日の暮らしに寄り添う」食器作りを大切にしています。