【食器乱読】 ancient pottery カップ&ソーサー グレー
店主が集めたお気に入りの食器達を無秩序に紹介していく食器乱読シリーズ。
第8回目はancient potteryのカップ&ソーサー(グレー)です。
個性~嫌味のないエレガント~
毎度おなじみ、ancient pottery(エイシェントポタリー)から今回はカップ&ソーサーをご紹介。
ということでまずは毎度おなじみ、ancient potteryについてざっくりと。
ancient pottery(エイシェントポタリー)はアンティークや作家物のようなディテールを持ちながらも、日常使い向けの実用性を兼ね備えたシリーズです。
焼き物(磁器と陶器の中間的性質)ですが強度が高く、電子レンジ使用可能、食洗機も使用可能、なんとオーブンにも使える(240℃まで)というかなり使い勝手が良い造りになっています。
White(ホワイト)、Gray(グレー)、Brass(ブラス)の3色が展開されており、それぞれ普通のお皿とは一味も二味も違う、『クセ』を持っているのが魅力。
グレーはねずみ色の地肌に錆を思わせる赤褐色の点々が入っているのが特徴です。
焼き物でありながら使い込まれた金属のような独特の存在感があります。
ソーサー
カップは下がすぼまっていて、おしゃれというかエレガントを感じさせるフォルムです。
ソーサーもドレープ(ひだ)が入っていて、こちらも優雅な雰囲気を醸し出しています。
優雅さもやりすぎると嫌味っぽいというか、エセ貴族みたいな感じになってしまうんですが、アンティーク感あふれる質感のおかげでとてもいいバランスを保っています。
持ち手
はい、『カップの持ち手フェチ』店主による、持ち手チェックのお時間です。
このカップもねー、実にいい持ち手してますよ、うへへ。
この上部がね、直接接合されるんじゃなくて一回くびれてるところが素晴らしいです。
最初は緩やかに、後半はストンとカーブする曲線も見事。
徹頭徹尾、エレガントを追求したデザインです。
どう使う?
まずはコーヒーですね。
でも、紅茶も捨てがたい。
エレガントさを存分に発揮するにはレモンティーやミルクティーのほうが合うかもしれないですね。
※もちろん、器の性質上は何飲んでもOKです。
ルーツ
公式サイトで説明されている通り、美濃をルーツとしているようです。
美濃は現在の岐阜県のあたりで、日本最大の陶磁器生産拠点と言われています。
ここで作られる焼き物は大まかに言えば美濃焼、細かく分類すると志野(しの)や織部(おりべ)などとなります。
織部などはかなり特殊ですが、基本的には普段使いの器として丈夫で使いやすく、暮らしに溶け込みやすいデザインが多いです。
お隣が『せともの』の語源となっている瀬戸市ですからね、古くから日本の食生活を支えているエリアといっても過言ではないでしょう。
ただ、あまりに歴史がありすぎるためか、近年は材料となる粘土の枯渇も心配されているそう。たしかに、陶器の原料は地元の土であり、有限ですから。大事に使いたいものです。