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【食器乱読】 ancient pottery ボウル グレー S

ancient pottery

店主が集めたお気に入りの食器達を無秩序に紹介していく食器乱読シリーズ。
第12回目はancient potteryのボウル(グレー)です。

個性~使いこなせる人、求ム~

ancient pottery(エイシェントポタリー)はアンティークや作家物のようなディテールを持ちながらも、日常使い向けの実用性を兼ね備えたシリーズです。

焼き物(磁器と陶器の中間的性質)ですが強度が高く、電子レンジ使用可能、食洗機も使用可能、なんとオーブンにも使える(240℃まで)というかなり使い勝手が良い造りになっています。

White(ホワイト)、Gray(グレー)、Brass(ブラス)の3色が展開されており、それぞれ普通のお皿とは一味も二味も違う、『クセ』を持っているのが魅力。

グレーはねずみ色の地肌に錆を思わせる赤褐色の模様が入っているのが特徴。
それはこのボウルにもしっかり反映されています。

これねー、使い方難しいです(笑)。
ancient potteryの3色のうち、ホワイトは女性ウケが、ブラスは男性ウケがいいのですが、グレーは使い手の力量が試されるんですよねー。
上手く使えれば男女問わず唯一無二の魅力を発揮してくれます。
詳しくは後の「どう使う?」のコーナーで。

Ancient Potteryのコンセプト

Ancient Potteryのコンセプトを公式サイトより引用します。

『憧れを抱く人も多いアンティークや作家物の器。
高価だし、使いこなせるだろうかと悩んで悩んで. . .
その一歩がなかなか踏み出せず
結局、憧れは憧れのまま . . .

Ancient Potteryはアンティークや作家物のようなディテールを持ちながらも、ストーンウェアという強い土を使った現代のライフスタイルに合った実用性の高い器です。

美濃の陶工たちと共に、美濃の素材と技術を使い、手の届く豊かさを実現させたいという思いで作りました。
あなたの憧れを実現する第一歩になってくれる器です。』

ancient pottery公式ページ

どう使う?

形的にはとても使いやすいです。
大きすぎず、しっかりと深さもあるのでスープやデザートにピッタリ。
和食の小鉢のように煮物やお惣菜を盛るのもいいですね。
八角形のシルエットは、あまり深く考えずにドンッと料理を置くだけで、洒落た雰囲気にしてくれます。

問題はこのグレーの景色をどう活かすか。
問題って言ったら言葉悪いんですが(笑)。

そもそもこの器に限らず、グレーは使いこなしが難しい色です。
野菜のようなはっきりした緑や赤だとなんとなく浮いてしまいます。
なので、ここはトーンを揃えて落ち着いた色合いのものでまとめるのがベスト。

具体的には卯の花など、白系でも真っ白ではないちょっとくすんだ色のもの。
オーブンもいけるので(240℃まで)、グラタンなども良いですね。
チーズの乳白色と焦げが、グレー&錆模様と良く合うと思います。

後は、料理単品というより全体のテーブルコーディネート次第なところもあります。
もし、この器&料理だけで雰囲気バッチリにしても、他の器がカラフルだったりかわいい系だと浮いてしまいます。
他も落ち着いたトーンで揃えて、『素朴な中に魅力が光る』などテーマを決めて使ってあげると無二の強さを発揮しますよ。

やたらハードル上げてしまいましたが、上手い使いこなしができたらぜひ見せてください。

ルーツ

公式サイトで説明されている通り、美濃をルーツとしているようです。

美濃は現在の岐阜県のあたりで、日本最大の陶磁器生産拠点と言われています。
ここで作られる焼き物は大まかに言えば美濃焼、細かく分類すると志野(しの)や織部(おりべ)などとなります。

織部などはかなり特殊ですが、基本的には普段使いの器として丈夫で使いやすく、暮らしに溶け込みやすいデザインが多いです。
お隣が『せともの』の語源となっている瀬戸市ですからね、古くから日本の食生活を支えているエリアといっても過言ではないでしょう。

ただ、あまりに歴史がありすぎるためか、近年は材料となる粘土の枯渇も心配されているそう。たしかに、陶器の原料は地元の土であり、有限ですから。大事に使いたいものです。