【食器乱読】ancient pottery ボウル ブラス S
店主が集めたお気に入りの食器達を無秩序に紹介していく食器乱読シリーズ。
第13回目はancient potteryのボウル(ブラス)です。
個性~こう見えて万能なんです~
ancient pottery(エイシェントポタリー)はアンティークや作家物のようなディテールを持ちながらも、日常使い向けの実用性を兼ね備えたシリーズです。
焼き物(磁器と陶器の中間的性質)ですが強度が高く、電子レンジ使用可能、食洗機も使用可能、なんとオーブンにも使える(240℃まで)というかなり使い勝手が良い造りになっています。
White(ホワイト)、Gray(グレー)、Brass(ブラス)の3色が展開されており、それぞれ普通のお皿とは一味も二味も違う、『クセ』を持っているのが魅力。
ブラスは真鍮のことであり、陶磁器とは思えない金属的な質感が魅力です。
前回、グレーについては使い方が難しいというお話をしたのですが、一転してブラスはかなり使いやすいです。
個人的な好みもあるのですが、黒でも茶でもない、この複雑な景色が料理をとても引き立ててくれます。
Ancient Potteryのコンセプト
Ancient Potteryのコンセプトを公式サイトより引用します。
『憧れを抱く人も多いアンティークや作家物の器。
高価だし、使いこなせるだろうかと悩んで悩んで. . .
その一歩がなかなか踏み出せず
結局、憧れは憧れのまま . . .
Ancient Potteryはアンティークや作家物のようなディテールを持ちながらも、ストーンウェアという強い土を使った現代のライフスタイルに合った実用性の高い器です。
美濃の陶工たちと共に、美濃の素材と技術を使い、手の届く豊かさを実現させたいという思いで作りました。
あなたの憧れを実現する第一歩になってくれる器です。』
どう使う?
グレーと同じく、形的にとても使いやすいです。
大きすぎず、しっかりと深さもあるのでスープやデザートにピッタリ。
和食の小鉢のように煮物やお惣菜を盛るのもいいですね。
八角形のシルエットは、あまり深く考えずにドンッと料理を置くだけで、洒落た雰囲気にしてくれます。
グレーは器の色と料理の色をあわせるのが一苦労だったのですが、ブラスは実に簡単。
冷奴など白系の料理はもちろん映えますし、肉じゃがなど茶色系のお惣菜を盛っても、それはそれで落ち着いた雰囲気を醸し出してくれます。
料理がシンプルでも器の景色が華やかさを補い、料理自体がにぎやかであれば器は一歩引いてサポートに回ってくれる。そんな実にできるヤツなのです。
ルーツ
公式サイトで説明されている通り、美濃をルーツとしているようです。
美濃は現在の岐阜県のあたりで、日本最大の陶磁器生産拠点と言われています。
ここで作られる焼き物は大まかに言えば美濃焼、細かく分類すると志野(しの)や織部(おりべ)などとなります。
織部などはかなり特殊ですが、基本的には普段使いの器として丈夫で使いやすく、暮らしに溶け込みやすいデザインが多いです。
お隣が『せともの』の語源となっている瀬戸市ですからね、古くから日本の食生活を支えているエリアといっても過言ではないでしょう。
ただ、あまりに歴史がありすぎるためか、近年は材料となる粘土の枯渇も心配されているそう。たしかに、陶器の原料は地元の土であり、有限ですから。大事に使いたいものです。