【食器乱読】ユミコイイホシ toriプレート グレー
店主が集めたお気に入りの食器達を無秩序に紹介していく食器乱読シリーズ。
第17回目はユミコイイホシポーセリンのtoriプレート(グレー)です。
4回連続のtoriプレートシリーズも今回でラストです。
個性~雨降りのグレー~
ユミコイイホシポーセリンから豆皿のご紹介。
同ブランドはその名の通り、磁器作家イイホシユミコさんによるものです。
ちなみにポーセリンは『磁器』の意味。
詳しい説明はこの後に記載しますが、奇をてらわないシンプルさが特徴。
シンプルではあるんですが、手触りがサラサラと吸い付くようで馴染みやすく、安物ではないなというオーラがあります(笑)。
toriプレートはいわゆる豆皿と呼ばれるサイズです。
しょうゆ皿と言ったほうがイメージが湧きやすいかもしれません。
クッキーを2,3枚置くのにちょうどいい、小ぶりのサイズです。
toriプレートの名の通り、鳥を模した形状。
しかし、あざとすぎないというか、主張しすぎないフォルムが上質さを感じさせます。
和食/洋食などジャンルや他食器の材質を選ばず、どんな時にでもスッと馴染んでくれます。
こちらのグレー、正式名はレイニーグレー。
たしかに、灰色の地面に雨の水しぶきが散ったような白い文様があります。
一見すると前回のブラックと似ているようですが、比べてみると明らかに違います。
(このページ下の写真をごらんください)
ユミコイイホシポーセリン
ユミコイイホシはそのスジ(どの?)ではとても人気が高いブランドです。
店主が経営する飲食店でもユミコイイホシのお皿を使っているのですが、お客様から「あ、イイホシさんのお皿だ」という声をよく耳にします。
~公式サイトからの引用~
作家イイホシ ユミコがデザインとプロデュースを手掛けるテーブルウェアブランド。
2007 年の誕生以来、「手づくりとプロダクトの境界にあるもの」をコンセプトに、量産でありながら温かみのある食器作りを目指して、オリジナルの色と形状で日本各地の窯元と製作。
職人の手作業により生まれるひとつひとつの異なる表情こそが愛着となり、味気ない量産食器にはない独特の良さを提案しています。
卓越したクラフトマンシップによる安定した丈夫なつくりと、
お料理を引き立てるすっきりとした清潔なデザインは、プロフェッショナルからも高い支持を集め、現在では多くのレストランやカフェ、ホテルなどで採用されています。
どう使う?
豆皿というサイズ、あまり使ったことが無い人も多いかもしれません。
しかし、慣れると実に便利なんです。
漬物などを数切れ載せるも良し、醤油や薬味のお皿にするも良し。
クッキーやチョコレートなどちょっとしたお茶菓子を供するも良し。
食卓の場を超えて、ジュエリーや鍵置きにしてもハマります。
これだけ何にでも合うのは、まさにデザインの賜物と言えますね。
器自体にパッと見の派手さはないんですが、乗せたものの良さを最大に引き出してくれる、そんな良き相棒になってくれる存在です。
サイズ的には醤油皿にぴったりなんですが、せっかくの黒なのでそれを活かせるものを乗せるのもいいですよね。あ、もちろん醤油でも全然問題ありませんよ。
このグレーにとどまらず、イイホシさんのような『シンプルで上質系』のお皿全般的に言えるんですが、お皿だけ見たんじゃ魅力が十分に分からないんですよね。
はっきりしたビビットな色だったり、精緻な装飾が施されていると器単体で見ても惹かれやすいんですが、こうシンプルで、しかも値段が高かったりすると、「ふーん、なんか良く分かんないけど高いやつだからいいやつなんだろう。自分にはあまり良さが分からないけど」みたいになりがちです。
そう、こういうシンプル上質系って、使ってみないとその魅力が分かりにくいんですよ。
逆に使うことで、その計算された美が体感できます。
乗せたものの美しさを最大限に引き出し、器自体はバックアップに回ってくれる。
でも引きすぎず、存在感はしっかり、みたいな。
上の写真もカルダモン(スパイス)を置いただけですが、じゅうぶん絵になってくれてると思います。
これが100均の小皿じゃ、こうはいかないですよ。
スパイスを売るとしたら、同じスパイスでもこっちの皿に置けば100均皿の4倍くらいの値段をつけても売れる気がします(笑)。
ルーツ
「手作りとプロダクトの境界にあるもの」をコンセプトに2007年に誕生したユミコイイホシポーセリン。
日本各地の窯元の職人さんが手作業で製作しています。
なので、特定の産地が決まっているわけではありません。
『手づくりのものは、つくり手の手跡が残らないように、プロダクトのものは、味気なくならないように』というテーマのもと製作されており、まさにそれを体現した中間のラインを味わえます。